2008.07.01
 
ドルッパ2008を視察して
千葉営業所 所長 寺内 宏

はじめに

 “ドルッパ2008”はドイツ・デュッセルドルフで4年に1度催される印刷技術のオリンピック、国際総合印刷機材展のことである。5月29日から6月11日までの2週間、過去最大規模で展示会場全館を使用して行われる。約1,800社が延べ展示面積17万uを超える展示スペースに出展し約40万人以上の来場者を見込んでいる。今回は「インクジェットdrupa」と称されデジタル印刷機の動向が注目を集めている。  デュッセルドルフの町ではいたるところでドルッパの赤い垂れ幕があり街をあげての祝賀ムードが漂っている。もともとドイツは印刷発祥の地として国力を挙げて印刷技術の発展に力を入れていることもあり会場の配置においてもドイツ企業の力の入り方は日本で開催されるJIMTOF(ビッグサイト)をはるかに凌ぐ。  弊社は小森コーポレーション様を通じ印刷機材に関しては多くの係わりをもった部品の供給があることから印刷技術の移り変わりを実感すべく訪独となる。

 

(株)小森コーポレーション様展示紹介

(株)小森コーポレーション様展示紹介

 日本の機械メーカーとしては最大級のブースに8台の機械を展示。リスロンS40・S29の上位機種としてリスロンSX40・SX29(新機種)を公開し多くの見学者の興味を引いていた。
 新設計のFULL-APC(完全自動版交換装置)。印刷速度18,000回転は他社の展示にない世界最速の印刷速度機である。
 ブースでは小森社長をはじめとした役員社員の方々が大勢のお客様に囲まれ人気の高さを実感できる。ブース15は全会場の最奥部にあり本来は立地的には不利にも関わらず訪問者の多さは地元メーカーには決して負ない人波を誇る。
 そこにはテーマである「感動:期待を超えて」にふさわしい展示に対する賞賛を伺うことが出来る。弊社も関連企業の一員として大きな誇りと責任を感じた。

 

展 示

ドルッパ2008

 やはり目を引くのは地元ドイツのメーカーである。ハイデルベルグ社は会場中央のブース1、2を独占し地元優位を象徴している。展示は印刷機械から製本、搬送にまで至り印刷ビジネスの全工程をカバーしている。全プロセスをカバーすることで生産性と利益の両面をアピールすることが出来る。
同じくマンローランド社は規模こそハイデル社には及ばないが地元の利を最大限に生かしデュッセルドルフ街の広告が異様に目立つ。ウェブ幅2,060mmの大型輪転は非常に目を引く展示である。今回海外勢のほとんどが大幅印刷機の展示を数多く出している。
 移送の安易さもあり多面付け傾向にあることが見てとれる。効率をアピールするには一回転あたりのページ数を多くする傾向が強い。しかし広幅印刷は効率面は良いが印刷品質においては安定した品質を確保することが非常に難しいと聞く。部品供給においても今後の課題とされるところと考える。
 更にインクジェットによるデジタル印刷機の台頭があげられる。印刷スピードこそ従来のオフセット印刷機にかなわないが大判印刷、シール印刷など極小ロットの印刷物に関しては確実にその需要範囲を広げている。ドットの明瞭さ、小ドット化は隔年の展示会で進化が見て取れる。  各社が、多様化する印刷要求に対し独自技術を開発しそれぞれの顧客要求に応えようとしている今回の“drupa2008”がデジタル機元年とされる所以である。
 日本の光学企業の多くがデジタルソリューション印刷機を展示している。Canon、富士フィルム、リコーなどがデジタル分野の主力である。大日本スクリーンは高回転の枚葉インクジェットプリンターを開催日にあわせ発表しサプライズを狙った。インクジェットプリンターはオフセット印刷機にとって今後共存共栄を迫られる存在になっていることは確かである。次回2012年にはどのようなdrupaになっているであろう。

 
drupa視察後記

 今回のツアーではさまざまな印刷業界の方々との交流を持てたことも一つの収穫であった。印刷会社、出版社、インキ資材関連等、それぞれの目的も多彩だがデジタルソリューションへの興味は皆高く今後の資材投入の新市場を睨んでいることは共通していた。
 日本から現地までの道程は長く少々大変ではあったが、ドイツならではの町並みとライン川のほとりを散策し疲れは別のものになった。日本とドイツは気質的にも歴史的にも近いものがあり“ものづくり”に関して双方に切磋琢磨する存在である。われわれも世界に向け視野をもっともっと広げることでグローバル企業のお客様の一躍を担える存在になれるよう努力を重ねて行きたいと思う。
以上

 
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